ハーブと暮らしnote

HMCフィトテラピー通信 〜ストレス・自律神経ケア〜
グレーライン Date:2025.4.21
Category:ハーブレッスン
Writer:佐藤


自律神経
 
HMCフィトテラピー通信では、こころとからだにまつわるテーマを毎月設け、ハーブや精油を用いた日々のケアや過ごし方についてお伝えしていきます。
暮らしの中にフィトテラピーを取り入れて、植物のある暮らしをより多くの方に愛しんでいただけるようご提案していきます。
 

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4月のテーマは「ストレス・自律神経ケア」について。
 
何となく調子が悪い、気力が湧かない、疲れやすい、食欲がない、寝つきが悪い…
でも受診しても健康診断を受けても異常はなし。
そんな病名のつかない不調を不定愁訴(ふていしゅうそ)といいます。
不定愁訴の症状はたくさんありますが、それはもしかしたら自律神経の乱れかも。
原因が分からないと更にそれがストレスになってしまいますよね。

こんな時こそフィトテラピーの得意分野で出番です。
大きなストレスにならないうちにフィトテラピーを日常に取り入れて、調子がいい!と思える日が増えることを目指しましょう。
また、「春は自律神経が乱れやすい季節」とよく言われています。
季節の養生とともに、そもそも自律神経の乱れとは何か、それによって引き起こされる不調についてみていきます。
 

 
 
ストレスと自律神経
 

まず、ストレスとは一言で表すと「外部からの刺激」。
それを快と感じるか不快と感じるかはひとそれぞれ。
同じ環境下においてもストレスを感じる人もいれば、それをストレスと感じない人もいます。

ストレッサー(外部からの刺激でストレスを引き起こす原因)には、
・天候(気圧や暑さや寒さなど)
・騒音
・大気汚染などの有害物質からくる環境的な要因
・人間関係や仕事でのプレッシャーなどの心理的な要因
・病気やケガや睡眠不足などによる身体的な要因
があります。
最近ではSNSを利用することで心理的なストレスを感じてしまう方も多いかもしれません。

ストレスに対する反応は、生物として生体恒常性(体内環境を一定に保つ仕組みのこと)の働きが備わっているためバランスを保つよう調整されますが、過度なストレスにさらされ続けた場合、生体側に不調が起こります。
ストレッサーを上手く受け流し過度な影響を受けにくく耐性をつけるようにするには、規則正しい生活習慣を続けることが一番。
朝は朝日を浴びて心の安定をもたらすホルモンであるセロトニンを分泌しそれによって交感神経が優位に、そして日中にピークを迎え、夜には深い睡眠へといざないます。

また最近では「笑うこと」もストレス解消法の一つだと言われています。
笑うことでストレスを感じにくくなるという研究もあるそうです。
まずは口角を上げることから始めてみましょう。
 
そして、その生体恒常性の機能を維持するために働いているのが自律神経です。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、活動時に優位になるのが交感神経、リラックス時に優位になるのが副交感神経です。この真逆の二つがバランスを取るために役割分担し24時間体内の調整を引き受けているのです。
仕事や家事が忙しくリラックスする時間が持てないとストレスフルになり、交感神経が優位な緊張状態が続きます。
そのような状態が続くと血圧が上がる、筋肉の緊張状態が続いて慢性的な肩こりや腰痛、消化不良などの不調が現れるようになります。

では副交感神経が優位な状態が続く方が良いのかと言えばそれはまた別。
血圧が低下し、起き上がろうとしても脳への血流が低下し立ち眩みなどを起こします。
やる気が起きずいつも眠く無気力になることも。
ある程度の緊張感を持ちつつ、リラックスタイムも持つ。
メリハリのあるリズムで毎日を過ごすことで、調子が良いと思える日が多くなるのです。
しかし、自律神経による不調と思っていても症状が広範囲に渡ることから、実は重篤な病気が隠れている場合があります。不調が長引く場合は医師の判断を仰ぎましょう。


<ONとOFFの切り替えにおすすめブレンドハーブティー>

■ONには【脳活】
脳も含め、全身の血流をよくしてくれるハーブをたくさんブレンドしています。
ほかにもアダプトゲンハーブと呼ばれる、ストレス耐性を高めてくれるハーブも入っていますよ。
ONとはいえどノンカフェインなので疲労回復目的で夜に飲んでもOKです。

■OFFにはGood night
天然のトランキライザー(精神安定剤)と呼ばれるような
鎮静作用の高いハーブをブレンドしています。
自律神経ケアにおいて睡眠はとても重要です。
できれば朝までぐっすり眠るような質の高い睡眠を目指しましょう。
※睡眠についてはこちらで詳しく解説しています。
HMCフィトテラピー通信 〜睡眠〜
 



 
実践したいストレス解消法
 

自然に触れることでストレスが大幅に軽減されることが分かっています。
20〜30分でも自然を感じられる環境下で過ごすことでストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、ストレスを感じた時に優位になりがちな交感神経の興奮を抑え、リラックス時に優位になる副交感神経に切り替わりやすくなると言われています。

森の空気中には、木々が発散しているフィトンチッドという揮発性の物質が森を浄化しています。
フィトンチッドは人にとっては鎮静作用として働き、深いリラクゼーションへ導く効果が明らかになっています。
リラックスをしながら集中力を高めるフィトンチッドの効能を活かして、最近ではオフィスの緑化に力を入れている企業も多いそうです。
五感をフルに研ぎ澄ますこともストレス解消になります。
休日は森林浴で森の香りを嗅いで緑を見て土に触れ、鳥のさえずりや小川のせせらぎを聞いて森を歩くのもよさそうですね。
休日だけでもスマートフォンを見る回数を減らして自然に身をゆだね大木を見上げてみませんか。

森に出かけることが難しい時は、樹木系の精油の香りを嗅ぐことによって森林浴をした時のようなリラックス気分を味わえます。
シダーウッド・アトラスはマツ科の針葉常緑樹で、そのすっきりした甘味を感じる香りは緊張した心を解きほぐし不安感を癒してくれます。
シダーウッド・アトラス<精油>



 
東洋医学の知恵からみる自律神経ケア
 
 
冬から春に移り変わる時季は陰から陽に移り変わる季節であり、気温や気圧の変化が激しく、自律神経が乱れやすい季節と言われています。

また、新しい環境に入る方も春には多く、緊張から心身ともに負担が掛かり自律神経が乱れ情緒が不安定になることもあるでしょう。
暖かくなって過ごしやすくなるイメージですが、根拠なき不安に苛まれるという話もよく聞きますし、春を苦手な季節だと認識している方も多いようです。

五臓の中でも「肝」は自律神経に関連が深い臓腑です。
「肝」の働きの一つに「疏泄作用」というものがあります。気血の流れをコントロールし自律神経の働きを調節する働きです。

樹木が春になると上へ上へと伸び伸びと枝葉を大きくしていくイメージが「肝」の養生に例えられますが、過度なストレスやイライラがのびやかに開放的でありたい「肝」の作用を阻害し身体の巡りや流れが滞るのです。
特に春は解毒作用など「肝」の働きが活発になり、消耗されやすい季節。
なるべく気分転換しながら、毎日のストレスケアで伸び伸びと過ごし「肝」に負担を掛けないことが自律神経のケアに役立ちます。


<「肝」のケアにおすすめのハーブティー> 

チコリ
チコリには強肝作用があるといわれています。
胃酸を減らし肝臓を刺激することで、脾臓・胆のう・腎臓の浄化にもつながります。

Herb De Coffee
チコリと同じく強肝作用があるとされるダンディライオンも入った
ノンカフェインで楽しめるコーヒー風ブレンド。
コーヒーに含まれるカフェインは交感神経を刺激するため、過剰に摂取すると自律神経の乱れにつながることも。
コーヒーは飲みたいけれどカフェインが気になる、そんなときにおすすめです!


また春は「風」の影響を受けやすい時季。
春の温かい風が体内でも舞い上がり、気が上がり過ぎて冷えのぼせのような症状が出やすくなります。
特にストレスを感じやすい方は一年を通して気が上がりやすくなる傾向にあります。
カッカしてきたら下半身を温めることを習慣づけてくださいね。腹巻など、お腹を温めるのも良いですね。
 
自律神経に関係の深い臓腑「肝」についての詳細は、HMCのオンライン講座「陰陽五行フィトテラピー講座」で学ぶことができます。ご興味のある方はこちらへ。
<オンライン講座>陰陽五行とフィトテラピー講座
 

 
 
フィトテラピーで自律神経ケアのサポート


フィトテラピーでは自律神経ケアをどのようにサポートできるでしょうか。
「食べ物」と「香り」と「ハーブティー」の観点からおすすめしていきます。
 
<食べ物>
自律神経を担う「肝」の働きをサポートするには、酸味のある食べ物を取り入れましょう。
酸味の食材はグレープフルーツなどの柑橘類お酢を使った料理がおすすめです。
ただし、春は内側から発散させたい季節でもあるので、収斂作用のある酸味は摂りすぎには注意です。
また香りが立つ紫蘇ミント三つ葉などの香りの強い食材も気の巡りに役立つでしょう。
 
 
<精油>
香りを取り入れる事は、ストレスによる自律神経の乱れに非常に役立ちます。
お好きな香りを見つけてポーチに入れて持ち歩き、すぐに嗅げるようにしておくと良いでしょう。
柑橘系の中でも鎮静作用も併せ持つベルガモットは、少しビターな柑橘の香りの中に甘さもあり老若男女問わずおすすめです。
ベルガモットFCF


<ハーブティー>
ハーブティーの飲用を習慣づけることも自律神経ケアの一助となります。
 
セントジョーンズワート
サンシャインハーブと呼ばれるように太陽のように心を明るく照らしてくれるハーブです。
不安を感じて眠れない時や落ち込んだ時、鬱々した気分の時に使います。
季節の変わり目についていけない心身にも。
注意・禁忌事項が多く併用できない薬があるため、治療・服薬中の方は医師や薬剤師の指示を仰いでください。

レモンバーベナ
爽やかなレモンの香りが広がるクマツヅラ科のハーブです。
フランスでは夕食後のお茶として親しまれているように消化器系にも働きかけますが、レモン様の香りはリラクゼーションの一助となり、穏やかに睡眠に導いてくれます。
ストレスを感じると消化器系の働きも弱くなりますが、そんな時におすすめです。
 
自律神経ケアに役立つブレンドもご紹介!

イライラ・カリカリGood-bye〜Stress care〜
ジャーマンカモミール、パッションフラワー、リンデン、バレリアンなど緊張でこわばった気持ちや身体をほぐすハーブがブレンドされています。
交感神経が優位になってピリついた気分が続く時に、ゆっくり口に含みながら飲んでみてください。
 
浄化
気持ちが落ち込んでネガティブな気分になってしまうこと、ありますよね。
浄化の名の通り、鬱々した気分を一掃!
オレンジピールの鮮やかさと温かさと爽やかな香りが心身を立て直してくれます。
※この商品にはマテがブレンドされているため、微量のカフェインを含みます。



 
さいごに


春は新しい環境に身を置く季節。ワクワクする方もいらっしゃるでしょう。
逆に新しい環境を良いストレスとは受け止められず、緊張から食べ物も喉を通らなくなる方もいらっしゃるでしょう。
年齢を重ねてからも春の匂いが漂い始めるとあの時の緊張感を思い出して心がキュッとなります。

フィトテラピーでのケアは五感を駆使するので、緊張をほぐしたりリラクゼーションに導いたりするのに最適。
心身一如という言葉があります。

心と身体は切り離すことができず一体で、精神的な不調が身体にも影響を及ぼすこと、またはその逆もありということ。
それでも不安な気持ちやドキドキする時は春のせいにして、あまり深く考えすぎないようにして新しい季節を楽しみましょう。
 


 

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